【薪割り機の仕組み考察】高速薪割りを可能にするキネティック式(or機械式orクランク式)薪割り機プラウPH-DDP20について

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サイクルタイムが4秒と大変高速な薪割り機があるのをご存知でしたか?

今回はエンジン薪割り機プラウPH-DDP20についてその仕組みを考えて見たいと思います。

 

キネティック式薪割り機とは?

kinetic=「動的な」という意味があるようですがそれだけではこの薪割り機についてピンときませんよね。

 

はい。別名ではいろんな言い方がありますね。

 

  • 機械式 薪割り機
  • クランク式 薪割り機
  • フライホイール式 薪割り機

 

海外では日本よりも普及しているようでして、インターネット検索で「mechanical log splitter」もしくは「flywheel log splitter」と検索をかけるといろんな製品をみることができます。

 

急ぎましょうね。お次でその仕組みを見ていただきますよ!

 

仕組みを解説します


すごくわかりやすい動画です。

 

プラウブランドのPH-DDP20について分解図が見当たりませんでしたので海外の別製品の動画を見ていただいております。

 

基本的な仕組みはPH-DDP20と相違ないと思いますが、そこはプラウさん、安全性を高めるためにロック機構に手を添えないとプッシュバーが動作しない仕組みになっていたりしますね。

 


こちらはプラウさんの動画です。色は違いますが前のバージョンの動画です。

 

またこの薪割り機、プッシュバーの戻りはプッシュバーに取りつけられているバネの力で元に復帰します。

 

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https://youtu.be/8ZBhyke4X4Uより

 

レバー操作をしない状態はプッシュバーとフライホイールのギアがかみ合ってなくフリー状態なことがわかります。

 

レバー動作でかみ合います。

 

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https://youtu.be/8ZBhyke4X4Uより

 

戻りの動きもシンプルですので修理の際や薪割り途中で何かあっても原因をすばやく見つけられそうです。

 

 

油圧薪割り機との違いは?

  • 動作が速い
  • 油圧機構がないためシンプルである

 

油圧機構がないことが最大の違いですね。当然ですが、やっぱりそこが大きな違いです。

大量の薪をあつかう方にはうれしい点じゃないでしょうか。

 

私が思うPH-DDP20のメリット

先ほども言いましたが、動作が速いために大量の薪を生産する方にはもってこいの薪割り機だと思います。

 

また、このPH-DDP20については作業する高さが65cmありますので連続して作業する場合も腰がラクそうです。

私が所有するプラウの油圧薪割り機PH-GS13PRO-GXは作業高さが35cm程度のために座ったり立ったりをうまくバランスさせないと腰がパンパンになってきます。

 

私が思うPH-DDP20のデメリット

PH-DDP20は破砕力20トンをうたっています。

 

やっぱり気になるのはその実力ですよね。

みなさんがこの薪割り機について不安に思われるならやっぱりその破砕力だとおもうのですが、私も「斧で割っているようなものだから節のある玉切りには弱いだろう」と思っていました。

 

下の動画を見る前までは。

 


破砕力の記載は25トンとなっていますのでPH-DDP20の20トンよりも大きなフライホイールが搭載されているのかもしれません。エンジンの排気量も大きいのかもしれません。

 

と思いきやこの薪割り機はモーター駆動です。

 

この薪割り機の能力を調べてみましょう。

 

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http://www.groentechniekhabers.nl/producten/brandhout/turbo-klover-eco-25-ton/より

 

モーターは電圧220Vでmotor verumogen(モーターの力)は2200ワットとあります。

 

対するPH-DDP20はブリッグス&ストラットン社製のXR550という汎用エンジンを搭載しています。

その力は、、、

 

ホームページにはトルク5.5ft-lbsとしか記載されていませんでした。単位を換算すると大体トルク7.4NmくらいですからホンダのGX120という汎用エンジンと同じクラスだと言えそうです。

ですので、ホンダのGX120を参考にしますと出力はおよそ2100ワット〜2600ワットだということが予測できます。

 

出力に関してPH-DDP20とほぼ同等ということがわかります。

 

枝節のある玉切りでもものともせず破砕している様子がわかっていただけると思いますね。

 

では、このPH-DDP20のデメリットやいかに?というところなんですが、やっぱりサイクルタイムが速いことにあります。ですので安全機構がついていまして、この薪割り機は両手で操作しなければいけません。

 

薪の玉切りに直接触れずに操作させるためとも考えられますね。

 

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私が所有するPH-GS13PRO-GXでは推奨こそされていないものの「左手で玉切りに手を添えながら薪割りする」ことが一応は可能になっています。

 

動作もキネティック式より穏やかなため玉切り位置を決めつつ作業がしやすいです。

 

キネティック式の動画を見ていただいてお気付きになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、薪が暴れることがありますよね。

 

そこがデメリットといえばデメリットだと私は認識しています。

 

 

私が考えるPH-DDP20のオススメな使い方

キネティック式の薪割り機の高速動作はホント魅力的です。

 

デメリットというか、高速であるがゆえにある程度の使いにくさもありますから使用にはそれなりの理解が必要です。

 

斧での薪割りに慣れている方や油圧薪割り機を使いこなせる方で、薪の割りやすさ割りにくさの勘所をつかんだ方なら大変高速に薪割りできる機械だと思いますよ。

 

理想の使い方としては油圧薪割り機で節のある玉切りをやっつける&キネティック式で節のないものをバンバンやっつけるっていう妄想をしてみました。

 

二台持ちは贅沢ですが、この高速動作はやはり魅力的ですよね。

 

油圧薪割り機であらかた玉切りを大量に半割りにしておいて、その後キネティック式で高速&姿勢もラクラク薪割り作業をする。

 

理想です。

 

なんにしましてもこのPH-DDP20。その機構を理解して安全性に気をつけながら使えば非常に頼もしい相棒となりえることがわかりましたよ。

 

二台目はPH-DDP20、いきましょうかねw?

 

それではみなさんもキネティック式や油圧式薪割り機を検索してみてくださいね!

 

以上です!