灰。灰ってほんとオモシロくてですね、最近興味のあるモノなんですよね。
灰を知っておくと薪ストーブも奥深いものになりますよ!!
灰の文化誌について
冒頭の写真の本は小泉武夫さんが書かれた『灰の文化誌』という本です。
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『灰の文化誌』小泉武夫 1988 ISBN:4845701529 C0021
私が探すかぎり、この本はもう再販されていないようです。
灰を知るには良い本だと思うんですが、なかなか手に入りにくくなってきているようなので今回はその本の中身の一部を取り上げつつ、灰について考えて行こうかと思います。
著者の小島武夫さんといったら、東京農大の先生で発酵について研究されている方として有名です。一時期健康をテーマとしてあつかうテレビ番組とかに良く出ておられましたね。『食に命を懸け』ておられる方です。
コチラ↓のサイトから小島武夫さんの講義映像が見られますよ。
灰は助燃触媒なんです
記事タイトルにもしたように、灰って助燃触媒なんですよね。
助燃させるための触媒っていうように理解していただければ良いと思います。
この記事では主にWikipediaを情報源として『灰って何だろな』ってことを考えています。ふむふむ。灰初心者にも薪ストーブユーザーにむけても有益な記事ですねw
で、お次の過去記事。
実際に薪山崎の薪ストーブに燠が残っていたのは、やっぱり灰の効果なんだなーってことを実感しました!ってコトを紹介した記事です。
燠の様子なんですが、薪ストーブを運転している時と違ってラピュタの飛行石の通常時みたいな明るすぎない光を発していたのが印象的でした。
で、今回『灰の文化誌』を読んでみますよ!灰の助燃触媒効果についてどんな記述があるのでしょうか?
ー 火種を灰で持続させることを埋火(うずめび)というが、この場合の炭と灰との関係は実に一体で、そこには両者の持つ特性が互に合致し合って埋火が行えるのであり、土や砂で灰の代用は出来ない ー (小島 1988 P13)
とあります。
この著書は、科学的な働きを化学式などを使って詳細に説明するっていう性質の本ではありません。ので、灰と炭の関係をサラッとですが上記のように表現されています。
赤字のところを理解し整理することで、薪ストーブの炉内での灰と燠の関係についてもよく理解することが出来そうですね。
・火種を灰で持続させる。
・炭と灰との関係は実に一体。
・土や砂で灰の代用は出来ない。
『凄い!灰の中に燠が19時間も残っている!』なんてよろこんでいるのは私だけでしょうかw?昔の人は経験的にこのことを知っていて、火種を灰で持続させようとしてたんですね。
炭と灰とが一体関係で、土や砂で灰の代用は出来ないとありますが、ここにはやっぱり灰でないと助燃効果がないために火種を持続させることが出来ないようですね。
逆に考えると、炭や燠火の火を消そうとするには土や砂に埋めたりすることがよさそうです。確かに、外でバーベキューしたり、町内会の催しで焼き物をしたりした後こうやって炭を処理していますよね。
あ、炭と灰とが一体関係とありますが、その炭なんですけども、炭は『無炎燃焼』をします。酸素と結びついて酸化反応を示し、その反応熱で燃焼に必要な温度を持続しているようです。薪が燃える時の有炎燃焼とは違うってコトですね。
また、炭って多孔質なことで良く知られていますよね。このこともまた炭が効率良く燃焼することにつながっているんですね。
炭の無煙燃焼+灰の助燃触媒効果=炭と灰とが一体関係ってコトでしょう。
また、こう書いてあることが興味深いですね。
ー 炭火を翌朝まで持たせるということはそう簡単なものではなく、灰を覆わせる手法一つにしても相当の熟練と経験が必要である ー (小島 1988 P13-14)
ということなんです。
あれ?私薪ストーブで簡単に燠が残せましたけど?
ってそうですよねw、私が偉いんではなく、薪ストーブが偉いんですよね。さらにいえば、ネスターマーティンS43の密閉性の良さが燠を翌朝まで持たせているっていうことでしょう。
マッチやライターの無い時代、一から火をおこすのは大変だったことでしょう。昔の人はそれはそれは大切に炭火を扱ったそうですよ。
おわりに
灰ってホントに凄いんですね。オモシロイです。ホント。
そう考えると、燠を翌朝まで簡単に残せてしまう薪ストーブもエライですよね。現代の技術や知識がそうさせていると考えると、火の文化も進化しているんだなって思います。
油やガスを使わない火の世界でも、昔よりも進化しているってコトがわかるんですよね。
たかが灰。されど灰。興味がつきないですね!
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