なんでスチールとハスクバーナには50ccモデルが2機種も用意されているの?って疑問に思いませんか?
今回は2社のフラッグシップ機種である50ccモデルについて考えてみたいと思います。
スチールMS261とMS261C-Mについて
結論から言いますと、MS261が通常キャブレターモデルなのにたいし、MS261C-Mはコンピューター制御のキャブレターを搭載したモデルなんです。
他は同じ構造です。
MS261
スチール社のホームページを見ていただくと各チェンソーの出力などしようについての情報を得られることができます。
そちらによりますと、MS261は下記のような仕様であることがわかります。
- 排気量:50.2cc
- 質量:4.9kg
- 出力:3kW
MS261C-M
MS 261 C-M - クラス世界No.1出力、M-Tronic 標準装備プロフェッショナルチェンソー 強力アップグレード
- 排気量:50.2cc
- 質量:4.9kg
- 出力:3kW
全く同じ重量と同じ出力を通常キャブレターモデルとコンピューター制御キャブレターモデルで達成しています。
細かいことを言いますと、実はMS261はMS261C-Mよりも後に発売されました。
こう書くと混乱させるので良くないのですが、つまり下記のような理由によります。
MS261(第1世代)発売
↓
MS261C-M(第1世代)発売
↓
MS261C-M(第2世代)発売
↓
MS261(第2世代)発売
ということなんですね。
冒頭の写真にあるMS261とMS216C-Mは第2世代なんです。
見分け方はチェーンカバーにありますよ。
- 第1世代のMS261C-M
- 第2世代のMS261C-M
チェーンカバーが第2世代の方がスリムで薄く軽量化されています。
他にもエンジンシリンダーヘッド部分の形状が第1世代とはかわっていたりします。
第1世代と何よりも変わったのはその重量と出力です。
MS261(第1世代)
- 出力:2.8kW
- 質量:5.2kg
MS261C-M(第1世代)
- 出力:2.9kW
- 質量:5.2kg
赤文字にしてみましたが、上記の現行第2世代のそれらと比較していただいても出力質量ともに第1世代の方が劣っているといえますね。
ハスクバーナ346XPと550XPについて
スチールと違い、ハスクバーナの50ccプロ向けモデルについては品番が全く異なることにお気付きだと思います。
これも結論から言いますが、機種が全く異なりはしますが、346XPNEが通常キャブレターをもつモデルに対し、550XPはコンピューター制御キャブレターを搭載したモデルだと考えてください。
スチールとラインアップ上では同じように取りそろえてると考えることができますね。
346XP NE(ニューエディション)
- 排気量:50.1cc
- 質量:5kg
- 出力:2.7kW
550XP
- 排気量:50.1cc
- 質量:4.9kg
- 出力:2.9kW
先ほど『ハスクバーナの50cc機種は品番が全く異なる』と書きました。
リンクからはホームページの機種解説に飛べますのでみていただいてもわかるのですが、下記の写真のようにカタチも全く異なります。
- 346XP NE
- 550XP
つまり、全くの別機種なんですね。
ここまでがスチールとハスクバーナのフラッグシップ50ccモデルの紹介でした。
かっこいいですよね両方とも。
お次からはなぜ各社が2種類の50ccモデルを販売しているか?を考えていきたいと思います。
通常キャブレターモデルの存在感
チェンソーについてお詳しい方はもちろん勘のよい方はもしかしたら気づかれているかもしれませんが、そうなんです。
通常キャブレターの需要があるからラインアップしている
からなんです。
スチール社とハスクバーナ社は別会社です。
こう書くと『当たり前だ』と思われるかもしれませんが、全くの別会社で最大のライバル関係にあるからこそ顧客の需要を満たすために切磋琢磨されているんですよね。
スチールで素晴らしいのは第2世代の発売によって、第1世代でみられた通常キャブモデルとコンピューターキャブモデルでの出力差が見られなくなったことです。
これによってハスクバーナ社の50ccチェンソーを質量でも出力でも上回る性能を持つ製品をラインナップすることに成功しました。
現時点では数値の上ではスチール社の開発販売の手が一歩先にあると考えても良いかもしれません。
しかし、ですよ。しかし、なんです。
ハスクバーナ社はスチール社がMS261を出す前にもう346XP(発売当時はNEがつきません)を市場に投入していました。
そのころスチールはMS260というMS261の前機種で2010年まで346XPと戦っていたんですね。
質量だけみますと、2010年にスチールのMS261が発売されたときでも346XPのほうがまだ軽い!わけです。
また346XPは1999年ごろに発売された機種だけあってなんどもマイナーアップデートなどの仕様変更を受けています。このことは346XPがプロの林業家にとって信頼性のある機種に育っていたことも大切なポイントになってきます。
つまり、ハスクバーナの346XPの名は業界に広くとどろいている伝説の機種なんです。
言いたいのは、スチールもハスクバーナも凄い会社だってことです。
おわりに
スチールとハスクバーナの50ccモデルで迷われる方は多いでしょう。
私もさんざん悩みました。
しかし、最寄りの修理のできる販売店さんの意見も大切です。
販売店さんの意見によって私はMS261C-Mを購入することにしましたから。
ハスクバーナの550XPもだいぶコンピューター制御がこなれてきたようですし、今後も必ずマイナーアップデートなど改良を加えてくるはずです。
346XPについては存在感たっぷりですし、キャブレターモデルとしてこれからも長い息を保つことでしょう。
もしくは、キャブレターモデルで全くの新機種が発売されるかもしれません。
いずれにしても、スチールもハスクバーナも業界の開発力としては一歩先をゆく存在であることに間違いはありません。
抜きつ抜かれつしつつも私たちユーザーにその時代で最高のチェンソーを開発販売してくれることも約束されています。
実はチェンソーメーカーの開発合戦ってけっこう楽しいんですよね。
しかも出てくるモデルがかっこいい。
もしかしたら私は車では叶えることのできない(深い意味はないです。金銭的な問題ですw)エンジン物の所有感をチェンソーに求めているのかもしれません。
ライバルって良いものですよね!
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